チェリストランキング!世界一流のチェリストTOP5!!

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  • 最終更新日:2018年05月21日
  • kojiii
チェリストランキング

華やかなバイオリンやピアノと違い、チェロが際立って目立つ事はありません。だからこそクラシック好きを自負する者として、チェロにスポットライトを当てたいのです!

バッハを始めとして偉大な作曲家達がチェロのためのソロの曲を書いていますが、協奏曲自体も少ないですし、なかなかチェリスト個人を知る機会はありません。また、チェリストの巨匠と言える人たちのほとんどが亡くなり、本当に世界的チェリストは数少なくなってきてしまいました。

ぜひチェリストに関する知識を深めて頂ければと思います!

ランキングの前提条件

  1. 私自身が生で聴いて感動したチェリスト
  2. 独自の音楽をしっかり持っていること
  3. 2の音楽を伝えるだけのテクニックに優れたチェリストであること

KUKUTENA(ククテナ)の
『指揮者ランキングTOP30』
『ピアニストランキングTOP20』などでは、私自身がコンサートで実際に演奏を聞いた事のある音楽家を取り上げています。しかし私の勉強不足やチェリスト自体の絶対数の少なさからTOP20やTOP10なんてちょっと無理がありました。

そのため条件を満たすチェリストが5人しかいなかったので、今回のランキングはTOP5とさせていただきました。

チェリストランキングTOP5!

チェロはオーケストラの中でもビオラと並んで内声を担当する重要な楽器です。オーケストラ自体の音質を作り出す縁の下の力持ち的な存在のため、クラシック好きならチェリストにもチェックを入れて頂ければと思います。

それでは早速ランキングをはじめましょう。

第5位 堤 剛

堤 剛

Tuyoshi Tsutsumi (1942 ~ )
出身地:日本
使用チェロ:モンタニャーナ

日本のチェリスト界を牽引してきた才能豊かなチェリストです。斉藤秀雄の弟子として一番その能力を受け継いだ人でした。

私が聴いた中ではN響と協演したドヴォルザークの「チェロ協奏曲」がとても印象的でした。奇をてらわず王道をきっちりと進んでいくとても優れた演奏。人柄の良さが音楽を通して伝わってくる素敵な名演でした。

堤 剛の略歴

幼少から父に手ほどきを受け、8歳で第1回リサイタルを開くほどの才能の持ち主でした。「子供のための音楽教室」桐朋学園高校音楽科を通じ齋藤秀雄に師事。

第26回日本音楽コンクール第1位および特賞を受賞。1960年にはN響海外演奏旅行にソリストとして同行、欧米各地での協演が大絶賛されました。

その後、ヤーノシュ・シュタルケルに師事。1963年ミュンヘン国際コンクール第2位、カザルス国際コンクールで第1位を獲得。現在に至るまで、世界各地に定期的に招かれ、オーケストラとの協演、リサイタルを行う日本が誇るチェリストです。

2004年から2013年までは桐朋学園大学の学長を務め、現在はサントリーホールの館長として活躍なされています。

堤 剛の活躍

日本を代表する世界的なチェリスト。

とても温厚な人柄で情にもろく・・・といった日本クラシック音楽会のお父さん的な存在。おそらく日本最高のテクニックの持ち主で、現代音楽の難しい曲でも難なく演奏してしまいます。まさにチェロの巨匠!!

アメリカのイリノイ大学やインディアナ大学、また桐朋学園大学でもチェリストの教育活動に携わり、後進の指導にも熱心に取り組んでいます。

知名度:  2/5
表現力:  3/5
曲の解釈: 3/5
テクニック:3/5

日本トップレベルの優れたチェリストですが、どうしても他4人と比べるとワンランク下がってしまう印象です。従って失礼ながらこのような順位とさせて頂きました。

第4位 藤原 真理

藤原 真理

Mari Fujiwara (1949 ~ )
出身地:日本
使用チェロ:グァルネリ

彼女のチェロはとても表現が厳しく、音楽に対する姿勢が厳格なチェリストです。チェロという割と大型の楽器を扱うため、ジムにも通って身体を鍛えているとか。

私が彼女を始めて聴いたのはチャイコフスキー国際コンクール第2位の翌年ですから、かなり昔になってしまいました。ドボルザークの「チェロ協奏曲」。力を込めた渾身の演奏で、その深い音色に引き込まれました。素晴らしい音楽性をもったチェリストが現れたものだと嬉しく思ったことを覚えています。

藤原 真理の略歴

「子供のための音楽教室」で斎藤秀雄に師事。第40回日本音楽コンクールで大賞とチェロ部門第1位を受賞。

1975年には東京にてデビュー・リサイタルを行い、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。その後、フルニエ、ロストロポーヴィチに師事。

1978年第6回チャイコフスキー国際コンクール、チェロ部門第2位。以後、ベートーヴェン「チェロソナタ」全曲演奏会、バッハ「無伴奏チェロ組曲」全曲演奏会など、名実ともに日本を代表するチェリストとして国内外で活躍しています。

藤原 真理の活躍

チャイコフスキー国際コンクールでは優勝が期待されていましたが、本選において弾き違いのミスがあり第2位に終わりました。あれが無ければ彼女が優勝だったと思っている人は結構多いはずです。当時でもあれだけの完成度を持っていた人でしたから残念でなりません。

彼女の演奏は世界の一流指揮者、オーケストラとの協演で絶賛されており、文字通りその実力の高さが証明されています。

その後の彼女はオーケストラとの協演よりもソロや室内楽の方に力を注いでいるようです。バッハの「無伴奏チェロ組曲」のCDは彼女の魂さえ感じる充実した演奏で、とても迫力ある音楽になっています。

知名度:  3/5
表現力:  4/5
曲の解釈: 3/5
テクニック:3/5

表現力に優れた面はありますが、5位の堤剛と同様ランクは中位です。第4位にランクインです。

第3位 ハインリヒ・シフ

ハインリヒ・シフ

Heinrich Schiff (1951 ~ 2016)
出身地:オーストリア
使用チェロ:ストラディバリウス、モンタニャーナ

とても人柄がよく、笑顔が素敵なチェリストでした。指揮者としても活躍しました。

私が彼を聴いたのは、サンサーンスの「チェロ協奏曲第1番」でした。尾高忠明指揮のN響の定期公演。端正な音作りで、彼の性格が良く出ている名演だったと思います。

ハインリヒ・シフの略歴

6歳からピアノを、チェロは9歳から習い始め、トビアス・キューネに師事し、のちにアンドレ・ナヴァラにも師事する。

ジュネーブ、ウィーン、ワルシャワなどのコンクールでの入賞を経て、1972年、グラーツの国際現代音楽祭でロストロポーヴィチの代役としてルトスワスキの「チェロ協奏曲」を演奏して好評を得ました。以後、世界的なチェリストとして活躍するようになります。

やがて指揮にも情熱を傾けるようになり、各国のオーケストラの要職をこなし、チェリストと指揮者半々の二刀流になりました。今後の活躍を期待されながら、惜しくも2016年ウィーンにて死去。享年65歳でした。

ハインリヒ・シフの活躍

デビュー後はヨーロッパ、アメリカ、日本の主要コンサートホールや音楽祭で有名オーケストラと協演しました。

ヴィヴァルディ、ハイドンから現代音楽まで幅広いレパートリーの持ち主でしたが、特に現代音楽の演奏は、彼の芸術活動の重要な部分を占めており、現代音楽の作曲家たちとの共同創作、作曲委嘱とその演奏を手がけています。

録音も積極的に行なっていて、なかでもバッハの「無伴奏チェロ組曲」は今後も聴き続かれていくCDでしょう。名盤です!

指揮者としての仕事も片手間に終わることなく、有名なオーケストラで指揮を行なっています。ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者などを務めていました。65歳で亡くなったことは音楽界にとってとても惜しいことでした。

知名度:  4/5
表現力:  4/5
曲の解釈: 4/5
テクニック:4/5

全てにおいて安定感のあるチェリストです。しかし2位、1位のチェリストが持っている魅力が彼には足りないということで、第3位です。

第2位 ミッシャ・マイスキー

ミッシャ・マイスキー

Mischa Maisky (1948 ~ )
出身地:ラトヴィア
所有チェロ:モンタニャーナ

とても気さくで陽気な人ですが、チェロを弾きだすとその音楽性に引き込まれます。人柄の良さもあってとても人気があるチェリストです。

私が彼を生で聴いたのは今まで2回。最初はハイドン「チェロ協奏曲第1番」、2度目がドボルザーク「チェロ協奏曲」どちらもN響の定期公演。繊細さと大胆さが同居し、2回とも魅力的な素晴らしい時間でした。どんな場面でもやすやすと自由に演奏しているように見えますが、鳴っている音楽は凄いものがあり、本当に上手い人はこういうものかと改めて感じさせてくれた演奏でした。

ミッシャ・マイスキーの略歴

1966年チャイコフスキー国際コンクール6位入賞。このとき、コンクールの審査員だったムスティスラフ・ロストロポーヴィチに才能を認められ、指導を受けることになりました。

ウィリアム・スタインバーグ指揮ピッツバーグ交響楽団と協演し、ニューヨークのカーネギーホールにデビュー。この公演の後、匿名のファンがマイスキーに1720年製のモンタニャーナのチェロを贈呈した話は現在でも語り草になっています。彼は今でもこの楽器で演奏しています。

以来30年余りにわたって世界各国の一流オーケストラ及び著名室内楽奏者たちとの数多くの共演により、国際的な名声を確立しました。

ミッシャ・マイスキーの活躍

彼はヨーヨー・マと並び現在の二大チェリストと称されるようになりました。彼独特の音色と解釈は聴衆を魅了し続けています。

ザルツブルク音楽祭、サラトガ音楽祭、ロンドンのプロムナード・コンサート(プロムス)等の世界有数の音楽祭には常連です。最近はオーケストラとの協演よりもアルゲリッチとのデュオや室内楽を頻繁に行なっています。

彼は親日家で今まで20回以上来日、リサイタル、国内・外来オーケストラとの協演などで日本の聴衆に最も身近な外国人チェリストになっています。

知名度:  4/5
表現力:  4/5
曲の解釈: 4/5
テクニック:5/5

マイスキーも各分野で優れたチェリストです。現在の評価は現役では1,2を争っています。とても魅力的な音楽性があって第2位です。

マイスキーのちょっとした豆知識

彼はかなりの葉巻好きで、練習のときも葉巻をくわえながらしているときもあるぐらいです。ある時どうも音に違和感があってチェロを点検しました。チェロを上下逆にして見たら胴の穴から葉巻の灰が大量に出てきたそうです。それ以来彼はチェロに溜まった灰を取り除くため、時々チェロを振って胴の穴から出すようにしているそうです。何億円もする楽器を何事も無く平気でぞんざいに扱う、彼の自由さが分かる話でした。

いよいよ、No.1の登場です。

第1位 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ

Mstislav Leopol’dovich rostropovich (1927 ~ 2007)
出身地:アゼルバイジャン
使用チェロ:ストラディバリウス

完全無欠の音楽家でした。今までにも有名なチェリストが何人もいましたが、彼の音楽が一番凄いと思います

私が聴いたのは小澤征爾指揮新日本フィルとのドボルザーク「チェロ協奏曲」でした。あの巨漢のロストロポーヴィチが身体を揺らしながら演奏している姿はまるで熊のようでした。彼の魂が身体を揺すっているような物凄い演奏!!

未だかつてこのような才能のある人を見たことがありません。タフでパワフルで、かつ、繊細。天才中の天才でした。

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの略歴

チェリストの父、ピアニストの母から音楽の手ほどきを受け、4歳でピアノ、7歳でチェロを始めました。1943年モスクワ音楽院入学。チェロはセミヨン・コゾルポフに師事。作曲の師はドミートリイ・ショスタコーヴィチ!。

ブダペスト国際コンクール、プラハ国際チェロ・コンクールにてそれぞれ優勝。ロストロポーヴィチの輝かしいチェリスト人生が始まります。チェリストとして活躍する傍ら、1960年代後半から指揮活動も開始しましたが、メインはやはりチェロの方でした。

旧ソ連政権とは政治的に対立し、人権問題や亡命問題で一時期音楽活動に少し影響がある時期がありましたが、西側に移ってからはより一層活躍の幅を広げました。アメリカのワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督は17年間も務めていました。

2007年惜しまれながら、モスクワにて死去しました。享年80歳でした。

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの活躍

チェリストとしてのロストロポーヴィチは、圧倒的な技巧と豊かな音量に裏付けられた、スケールの大きな表現性で広く知られました。バロック音楽から現代音楽までレパートリーは幅広いものがありました。

20世紀の代表的な作曲家が競ってロストロポーヴィチのために作曲しており、ロストロポーヴィチに捧げられた現代作品は170を超すといわれています。

室内楽では、ホロヴィッツ、リヒテル、ギレリス、アルゲリッチ、コーガン、オイストラフら世界的演奏家と協演しました。

指揮者としての活動は前述のワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督だけではなく、各地のオーケストラに招かれたり、オペラなどの録音もあります。

驚くべき勲章の受賞数

彼の偉大さを証明するかのように、世界各国から様々な勲章を授与されています。

スティスラフ・ロストロポーヴィチの華麗なる受賞歴

30ヶ国を超える国々から130以上もの賞を授与され、音楽家としておそらく史上最も多くの勲章を受けているといわれています。このほか各国で40以上の名誉学位を与えられました。

世界文化賞
・イギリス最高位勲爵士
・スペインカタロニア国際賞
・高松宮殿下記念世界文化賞

・ドイツ勲功十字賞
・アメリカ大統領自由勲章
・スウェーデン極北賞
・レーニン賞

日本が大好きだったロストロポーヴィチ

小澤征爾と親交が厚かったことから親日家としても知られ、数十回は来日しています。自分のリサイタルやコンサートで演奏するだけでなく、小澤征爾と一緒に学生のオーケストラを連れて地方を中心に数多くの演奏旅行をしています。

これはロストロポーヴィチが「キャラバン」と名付けたゲリラ的コンサートで、コンサートホールではなく、お寺や体育館、時には民家の庭先で演奏会を開き、多くの人たちにクラシック音楽を聴かせました。もちろんお金など取らないで。

美智子皇后の古希のお祝いに、今上天皇、皇后両陛下ご臨席の下でチャリティー・コンサートを開くなど、日本の皇室との縁もありました。

知名度:  5/5
表現力:  5/5
曲の解釈: 5/5
テクニック:5/5

総合的にダントツの評価です。今後彼のようなチェリストが出てくるのか心配です。満点の評価で見事にナンバー1です。

チェリストランキングを振り返って

シュロモ・ミンツ

第1位 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ

ミッシャ・マイスキー

第2位 ミッシャ・マイスキー

ハインリヒ・シフ

第3位 ハインリヒ・シフ

藤原 真理

第4位 藤原 真理

堤 剛

第5位 堤 剛

このランキングになりましたが、ご存命の方は3人。なんとも言えないランキングとなってしまいました。

番外編 残念ながら最初にあげた条件に合致していない方々です。

ヨーヨー・マ:チェリスト界のカリスマ。ライブでは聴いていません。残念です。

長谷川 陽子:ライブでは聴いていませんが、CD、テレビで聴くととても素晴らしい才能の持ち主です。

チェリストランキングまとめ

ピアノなどと違い世界的なソリストの数が少ないチェロ。いろいろな人が頭に浮かびましたが世界的に活躍している人だろうかと悩みに悩んだ末のTOP5でした。

録音も含めるならば日本人はTOP10にも入らないでしょう。かといって今回挙げた日本人が世界的でないという訳ではありません。私が感動した演奏家たちです。

とにかく音楽は楽しいもの!ぜひご自身の耳で演奏家の音の違いを楽しめるようになって欲しいと思います。

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