JASRACが行ってきた音楽利用料金徴収まとめ
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- 最終更新日:2017年05月31日

JASRAC(日本音楽著作権協会)は本来音楽の著作権を保護する目的として発足された一般社団法人です。
そもそも一般社団法人とは営利を目的としない非営利法人のはずなのですが、最近の噂から最新のヤマハの訴訟まで見ると、営利目的で運営してるようにしか見えません。
しかも徴収した料金の分配に疑問が残る点が多いとの事をファンキー末吉さんが苦言を呈しています。
2009年9月、元爆風スランプ〜X.Y.Z.→Aのドラマー、作曲家のファンキー末吉が自身の運営するロックバー「Live Bar X.Y.Z.→A」に届いたJASRACからの手紙に記載された料金徴収法に疑問を持ち、その不可解な内容にブログ上で「これではヤクザのみかじめと同じである。ちゃんと著作権者に分配しろよ!!」と激怒。
弁護士との相談の結果、JASRACとの長期間に渡る交渉を行うことを決意したが、2013年11月、JASRAC側は「著作権侵害差止等請求事件」という訴訟を起こした。
同年12月、JASRAC側の対応に不快を示した末吉の支援者らが「ファンキー末吉に対するJASRACの訴訟はスラップではないか?」との立場から、『ファンキー末吉 支援者の会』を立ち上げた。
また、末吉と同じく元爆風スランプの江川ほーじんも「徴収する法は有るが、分配するシステムが存在していない。」と非難している。
引用:wikipedia
そして、2005年に週刊ダイヤモンドで紹介された記事には、文部省(文部科学省)からの役員の天下りが50年以上続いていること、JASRACの役員の報酬を決める役員審議会が非公開であること、法外に高い報酬を受け取っていることが掲載されていました。
JASRAC創立当時とは理念が完全に変わってしまったのではないのでしょうか。
そんなJASRACが行ってきた音楽利用料金徴収をまとめてみたいと思います。
JASRACが行ってきた謎の音楽利用料金徴収まとめ
ビートルズ生演奏で著作権法違反、スナック経営者逮捕
警視庁石神井署は2006年11月8日、東京都練馬区石神井町3、飲食店経営豊田昌生容疑者(73)を著作権法違反の疑いで逮捕した。
調べによると、豊田容疑者は今年8、9月、経営する同区内のスナックで、日本音楽著作権協会と利用許諾契約を結ばずに、客の求めに応じて、同協会が著作権を管理
するビートルズの「イエスタデー」など外国の曲計33曲をハーモニカで演奏したり、ピアニストに演奏させたりした疑い。豊田容疑者は1981年にスナックを開店して以降、生演奏を売りにしていた。
同協会では契約を結ぶよう求めていたが、従わなかったため、今年9月、同署に刑事告訴していた。
一曲いくらで料金を取っていたのであれば分かるのですが、このお店はただBGMとしてリクエストされた曲を演奏していただけだと思われます。
これが逮捕されるのであれば、音楽を流しながら走る車も逮捕されるのでしょうか?
不特定多数の人間に音楽が聞こえるという条件は同じに思えますが。。。
著作権がない千年前の雅楽(ががく)から著作権料を取ろうとする
さっき日本音楽著作権協会から電話が掛かってきた。JASRACね。9月の西宮公演の著作権使用料を申告しろ、という内容でした。千年前の音楽には著作権はありませんよ、と教えてあげました。めちゃめちゃ上から目線の担当者は雅楽をがらくと読んでました。勉強しろよ。
— 岩佐堅志 (@sokohjo1) 2012年12月12日
著作権の保護期間は没後50年です。
1000年前の音楽から著作権料を取ろうとしたってことは、950年は生きていた雅楽の著作者がいるって事ですかね?
また、著作権料を支払ってもらえたとして、誰に分配するつもりだったんでしょうか?
謎しかありません。
この事についてJASRACは釈明文をHP上で公開していたのですが、なぜかすぐ削除され閲覧できなくなったようです。
CGAコンテストの上映会で登録曲を使ったと決めつけ請求
以前、CGAコンテストの上映会の後、JASRACから請求が来た。
登録曲を使ったという証拠でもあるのか? その曲は具体的にどれなんだ?
JASRACの言い分は、“上映会なら曲が流れていただろうから、きっと使ったに違いない”とのこと。
使ってねぇよ!
振り込め詐欺の一種か?— DoGA (@DoGA_CGanime) 2017年2月2日
もうここまで行くと何を言っているか分かりません。
上映会があったらJASRAC登録曲を使ったに違いないと決めつける。
何の曲が使われたか分からないのに、料金を徴収して誰に分配するんでしょうかね?
ヤマハの音楽教室に対し利用料金を請求
日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権料を徴収する方針を決めたことをめぐり、ヤマハ音楽振興会など約340事業者でつくる「音楽教育を守る会」(東京都)は30日の総会で、「教室での演奏には著作権が及ばない」としてJASRACへの支払い義務がないことの確認を求める集団訴訟を起こす方針を承認した。
引用:朝日新聞
基本的には学校法人で教える音楽には著作権料を払わなくて良いとなっています。
しかし、音楽教室はそれに当たらないとし、著作権料を払えとJASRACがヤマハに対し著作権料の支払いを求めています。
「演奏技術向上が目的であって誰かに聞かせることが目的でない」ので演奏権の対象ではないというヤマハの主張です。
正直この件については双方の主張はどちらも正しく聞こえます。
(音楽教室は学校法人でない為)
裁判の結果が気になる所ですが、私個人としましては是非ヤマハに勝ってほしいです。
音楽CD売り上げ分配でのJASRACの取り分

何よりも驚いたのがこの円グラフです。
アーティスト(実演家)が9円なのに対し、JASRACが手数料として4円、約半分も持って行っています。
勿論、作曲家・作詞家・音楽出版社・アーティストに著作権料を支払うのを代行しているのでしょうから、JASRACにお金を払うのは分かるのですが、取りすぎやないですかね?
作曲家・作詞家・音楽出版社・アーティストを合わせると60円ですが、JASRACに払う手数料が4円と約7%近くも取って行ってる計算になります。
まとめ
JASRACが存在する事を批判している訳ではありません。
むしろ存在していなければ著作権侵害が横行し、音楽を作る人がいなくなってしまいます。
しかし、最近のJASRACの動きを見ていると、著作権を守る為という事を盾に、利益だけを追求しているのではないかと思われても仕方ないのでは。
上で記述した通りの事が本当に行われているのだとしたら、近い未来に喫茶店等から音楽が消える日も近いのかもしれません。