世界一高いバイオリン!ストラディバリウスの魅力・高額な理由・所有者などを徹底紹介

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  • 最終更新日:2018年05月11日
  • kojiii
ストラディバリウスを徹底紹介

皆さんも「ストラディバリウス」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。そうです、あの値段の高さだけが常に話題になるバイオリンのことです。

お値段が高い事は重々ご理解いただけていると思いますが、ストラディバリウスがなぜそれ程の価値があるのかをご存知でしょうか。
今回はそんな世界一高い楽器『ストラディバリウス』について詳しく説明していきたいと思います!!

ストラディバリウスとは

Antonio Stradivari

アントニオ・ストラディバリ(1644~1737)は弦楽器製造をニコロ・アマティに師事し、1630年に息子二人と共に三人で弦楽器工房を開きます。

18世紀の法令では弦楽器にはラテン語でその製作者のラベルを貼らねばならない決まりでありました。アントニオの作った楽器にはAntonius Stradivarius Cremonencis(クレモナのアントニオ・ストラディバリ作)のラベルが貼られていた為、その楽器の事をストラディバリウスと呼ぶようになりました。

アントニオ(たち)が作った弦楽器は全部で1200挺(ちょう)ほどですが、現在まで残っているのは世界で

  • バイオリン:約600挺
  • ヴィオラ: 8挺
  • チェロ:  63挺
  • マンドリン:2挺

その内40挺ほどが日本にあります。
特に1698年から1725年に製作されたものは優秀なものが多く、中でも1715年頃のものは最高の評価を受けているものが多数あります。

バイオリンの価格帯のランク分け

世界一高いストラディバリウスは?

ヴァイオリンの価格も本当にピンキリで通常以下のようなランク分けができます。古くて、状態が良くて、鑑定書が着けば高くなっていきます。

  • レベル1『入門者向け』(30万円以下)
  • レベル2『新作』(30万円~100万円)
  • レベル3『新作の良品』(100万円~300万円)
  • レベル4『音大生用』300万円~500万円
  • レベル5『プロ仕様』(500万円~1200万円)
  • レベル6『プロ仕様』レベル5より古いもの(1200万円~4000万円)
  • レベル7『超・一流』(4000万円~8000万円)
  • レベル8『超越者』8000万円~(ストラディバリウスなど歴史的な文化遺産)

プロはレベル5以上を使っていますが、さすがにレベル8クラスになるとほんの一握りのソリスト達しか使えなくなります。お金だけの問題ではなく、そのレベルのバイオリンを弾きこなす実力が必要となるためです。

弦楽器は本当に高額ですが、最近の音大生でも平気で1000万ぐらいのバイオリンを持っていますから日本も本当に豊かになったものです。

ストラディバリウスが高額な理由

ストラディバリウスが高額な理由

その1. バイオリンの歴史的観点から

バイオリンの形状が今のように定まったのが17世紀初頭でした。

後に弦楽器製作者の巨匠と呼ばれるアマティ、ストラディバリ、グァダニーニ、グァルネリらが活躍した時代にようやくその形が決まり、我々の知るバイオリンの歴史がスタートしました。音楽家たちの数も増えた事で弦楽器工房の多くは量を重視し、とにかくより多くのバイオリンを作ることに専念しました。

しかしストラディバリは量よりも質に特化した弦楽器製作を貫き続けました。その違いが現在の値段の違いとして現れているのです。

バイオリンの表板はスプルースという木で作られています。昔は良質のスプルースが沢山ありましたが、現在では大変少なくなっているそうです。そしてスプルースは切られてから330年目ぐらいが最高の強度になるそうです。

当然良質のスプルースで作られた弦楽器自体も少なくなり貴重になりました。木材自体もよく乾燥された状態となり、ストラディバリウスは最高の楽器となったのです。

その2. 最上の音を生み出すバイオリンだから

高額な理由を一言で言ってしまえば「音の響き」が良いからというのが一番間違いないかと思います。他のバイオリンに比べそれが抜群に良いから需要に対し、数の少ないストラディバリウスは供給が全く間に合っておらず、超高額になってしまっています。

元NHK交響楽団のコンサートマスターだった徳永二男氏がストラディバリウスについてこう語っています。

『演奏家にとっていろいろな感情を表現するために必要なことは音色なのです。音楽家ならば常に楽器にそういうものを求めているのです。そしてその要求に答えてくれる深さと幅を持っているのがストラディバリウスなのです。』

『音楽家は演奏していることで自分を表現しています。自分の存在を賭けているわけで、そのことに対しては貪欲で際限がないものです。良いヴァイオリニストになればなるほど要求が深くなる。だからストラディバリウスが必要になるわけです。そのことが一番大事なことでしょうね。』

彼の言う通りより深く要求を突き詰めていくと良い楽器が必要となってきます。それを求めていくとやはり値段の高いストラディバリウスに行き着いてしまうのでしょう。

欲しいけれども現存する、演奏に耐え得るストラディバリウスは数が限られています。となれば資本主義の原理で価格が跳ね上がっていくのも当然です。投資目的で売買する人達も多くいますので、ますます値段がつり上がるというわけです。

世界一高いストラディバリウスは?

ストラディバリウス

ヴァイオリンで現在世界最高値を誇っているのが2011年に取引された1721年製「レディ・ブラント」約1600万ドル(当時のレートで約12億7千万円)です。

皆さんこのバイオリンがストラディバリウスの最高値と思っているようで、色々なところで世界一高い楽器と紹介されています。しかし本当は違っていまして、ヴァイオリンよりもビオラ、チェロのほうが高額です。どうしても残存する数が少ないためそうなってしまいます。

たとえばロストロポーヴィチ(1927~2007)が使っていた1711年製のチェロ「デュポール」20億円といわれています。

現時点での本当の世界一高額なストラディバリウスは1719年製ヴィオラの「マクドナルド」45億円です。2014年に入札式競売にかけられ、最低落札額45億円という楽器の史上最高価格でオークションにかけられましたが、買い手がつかなかったそうなので45億円持っていれば誰でも即購入が可能ですよ!

ストラディバリウスは本当に音色がいいのか?

stradivarius

昔からなぜストラディバリウスの音がいいのか様々な調査がなされていますが「客観的にこれこれだからこんなにいい音色が出るのだ」という結論は未だ何も出ていません。

使っているニスのせいだという人もいますし、木材の厚さやそれに特別な処理が行われているからと考えている人もいます。

でもストラディバリウスを弾いた音楽家たちはもちろん、聴衆である我々も含め、誰しもがその音色・響きに魅了されています。

有名なバイオリニストの千住真理子はストラディバリウスを買わないかと持ちかけられたときに、値段が高くて買うつもりはなかったそうです。しかし、いざ現物を見て、それを弾いたとたんにその音に惚れて、これは絶対に手に入れないといけないものだと思ったそうです。

『運命的にこの楽器に出会えて、自分の音楽はまたゼロからの出発点にたった。これからが本当の音楽人生となるかもしれない』とも語っています。

今まで使っていたヴァイオリンと違い、この楽器のために、音の出し方、音楽の作り方、全てを作り変える必要があったそうです。楽器が人を選ぶ、数億もする楽器を操るにはそれなりの腕が必要となるのです。

※千住真理子については『千住家にストラディバリウスが来た日』(新潮社)という本が出ていますので興味があるかたはぜひ読んでほしいです。

前述の徳永二男にしてもその音の深さ、幅をもっている楽器だといっています。

科学的評価はおいといて、なんといったってその「音」は素晴らしいのですから深く考えずに素直に聴き惚れましょう。

ストラディバリウス/日本人の所有者は

古い歴史を持つストラディバリウスだけに所有者も時代によって変わっています。可能な限り調べて日本人が持つものを記載しましたが、所有者の変更や”これだけじゃなくて他にも持っている人いるのに!”などあるかもしれませんがご了承ください。(2018年3月時点)

バイオリン

諏訪内晶子

諏訪内 晶子
Akiko Suwanai

製作年:1717年
愛称: ドルフィン
所有者:日本音楽財団から貸与

五嶋 龍

五嶋 龍
Ryu Goto

製作年:1715年
愛称: エクス・ピエール・ローデ
所有者:NPO法人イエル・エンジェルから貸与

川井 郁子

川井 郁子
Ikuko Kawai

製作年:1715年
愛称: フランチェスコ・ルジェーリ
所有者:大阪芸術大学から貸与

高嶋ちさ子

高嶋 ちさ子
Chisako Takashima

製作年:1736年
愛称: ルーシー
所有者:自己所有

千住 真理子

千住 真理子
Mariko Senju

製作年:1716年
愛称: デュランディ
所有者:自己所有

庄司 紗矢香

庄司 紗矢香
Sayaka Shoji

製作年:1715年
愛称: ヨアヒム
所有者:日本音楽財団から貸与

中澤 きみ子

中澤 きみ子
Kimiko Nakazawa

製作年:1717年
愛称: ダヴィンチ
所有者:自己所有

渡辺 玲子

渡辺 玲子
Reiko Watanabe

製作年:1709年
愛称: エンゲルマン
所有者:日本音楽財団から貸与

樫本 大進

樫本 大進
Daishin Kashimoto

製作年:1722年
愛称: ジュピター
所有者:日本音楽財団から貸与

辻 久子

辻 久子
Hisako Tsuji

製作年:1703年
愛称: ディクソン・ポインター
所有者:自己所有

海野 義雄

海野 義雄
Yoshio Unno

製作年:1698年
愛称: トゥーロー
所有者:自己所有

篠崎 功子

篠崎 功子
Isako Shinozaki

製作年:1684年
愛称: ウェブス
所有者:自己所有

竹澤 恭子

竹澤 恭子
Kyoko Takezawa

製作年:1710年
愛称: カンボ・セリーチェ
所有者:日本音楽財団から貸与

神尾 真由子

神尾 真由子
Mayuko Kamio

製作年:1727年
愛称: ???
所有者:サントリー音楽財団から貸与

浦川 宜也

浦川 宜也
Takaya Urakawa

製作年:1713年
愛称: レディ・レディ
所有者:???

徳永 二男

徳永 二男
Tsugio Tokunaga

製作年:1720年
愛称: ロチェスター
所有者:自己所有

矢部 達也

矢部 達也
Tatsuya Yabe

製作年:1685年
愛称: ???
所有者:???

チェロ

石坂 団十郎

石坂 団十郎
Danjuro Ishizaka

製作年:1696年
愛称: ロード・アイレスフォード
所有者:日本音楽財団から貸与

岩崎 洸

岩崎 洸
Ko Iwasaki

製作年:1727年
愛称: ???フォード
所有者:自己所有

世界一高額なバイオリンまとめ

ストラディバリウスばかりが高額な弦楽器を作っているわけではありません。

彼と同時代の製作者の中ではアマティ、グァルネリ、グァダニーニは有名な巨匠です。その価格もストラディバリウスと同じぐらい高額なものもあります。

弦楽器製作者は現代にだって世界中に存在します。ある音楽家は現代の名工によって作られたものしか弾かない人だっています。

演奏会に出かけてぜひご自身の耳で!五感で!!バイオリンの違いによる多彩な音色に酔いしれましょう。それがストラディバリウスならより幸せな気持ちになれるかもしれません!!

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