ノーマライゼーションとは。全ての人々が楽しく暮らせる社会へ
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- 最終更新日:2017年10月03日

ノーマライゼーションの考え
デンマークのバンク‐ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N.E.)らによる知的障害者の人権や幸福を守る運動から始まり、障害者全体の運動へと広がっていきました。
1959年法において初めて「ノーマライゼーション」という言葉が使用され、現在では知的障害者だけでなく障害者、高齢者、子ども等に対する福祉領域にも用いられる理念となりました。
「ノーマライゼーション」の今の形。
現在の日本社会福祉に大きな影響を与えたのが1981年(昭和56年)の「国際障害者年」同年中「中央社会福祉審議会」では訪問介護サービスを低所得者に限定することなく一般的な家庭まで拡大することを提言しました。
このことにより、現在の福祉サービスの一般化を進めることとなりました。隔離した施設ではなく地域の中に共存する形へと変わり本人の個別性や尊厳を重視したサービスが受けられるようになりました。
ノーマライゼーションの教えを取り組み入れる前の介護は、徘徊するから、転倒事故になるから、暴れて暴力を振るうから、と入居者の手足をベットに縛り付けていたことは事実でしたが、近年では車いすにベルトを付けるのでさえも家族の許可が必要とされている。
ノーマライゼーション8つの理論
原文ではあまりに長いので出来る限り簡単にまとめさせて頂きました。
- 障害を持つ人もない人も同様に、個人としてのリズムで1日の生活を送ることが好ましいとされている。
例えば障害があるからといって、本人の意思に逆らい不必要に早く就寝させたり外出をさせないという社会ではなく、誰もが各々のリズムで社会生活が送れるように目指す。 - 施設に入所されていても地域社会、子供会、町内会、老人会などのいくつかにおけるグループに所属し毎日の生活にメリハリがあることが大切。。
- 1年を通して行われる季節の行事、主催者は障害者だからといって参加を拒絶するような事があってはならない。障害を持つ人が地域社会に関わっていく面でも最も大切。
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誰もが幼児期、学童期、成人期、高齢期のライフサイクルを順に過ごしていきますが、障害を持つ人の多くが異なっています。幼児期より施設で過ごされている場合など、健常者に比べ極端に家族と過ごす時間は短くなっています。
そうではなく、誰もが同じようなライフスタイルを経験できるようにと考える。 -
本人の選択や希望はできる限り尊重されるべき。
会話ができない人などでも注意深く様子を観察し意思や要望に応じられるようにする。 - 男女が共に過ごす社会で生活できるようにする。
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一般的な経済水準を得る。
その為に児童手当や早期年金、住宅手当、経済支援などが適切に配布されるようにする。 - 理由もなく障害の有無によって施設側による差別があるのは好ましくありません、障害者施設をより一般的な環境に近づけるようにする。
以上が大まかな『ノーマライゼーション』の考え方となります。
ノーマライゼーションによる影響
厚生労働省は現在において、障害を持つ人もない人も同様にその人の持った能力と適正にあった仕事をすることにより、地域で自立した生活ができるように雇用対策が進められています。
学校、職場においても障害をもった人への偏見は少なくなり、障害を個性として受け入れられる下地ができてきたと思われる。