スターバックス!ハワード・シュルツが作り上げた全世界で愛されるコーヒーチェーン誕生秘話。
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- 最終更新日:2018年03月15日

おしゃれカフェブームは最盛期を迎えています。
さまざまなカフェがある中で、90年代後半から圧倒的に支持され続けている人気店がスターバックスです。
おしゃれ系カフェのはしり?!意識高い系カフェのさきがけ?!など、さまざまな言われ方もしますが、それも人気が定着した証明なのでしょうね。
スターバックス、調べてみると実に面白くためになる物語であり、その人気も納得できるくらいの徹底したこだわりと哲学を持ったお店なのです。
今回は大人気スターバックスのドラマティックな物語を見て行きましょう。
映画のようなスターバックスの誕生秘話をぜひご覧ください!!
スターバックス生みの親ハワード・シュルツ
1953年7月19日、ニューヨーク・ブルックリンのブルーワーカー(肉体労働者)の両親の下に生まれ、後に世界的コーヒーチェーンを一代で築き上げるシュルツは苦しい暮らしの中、厳しい労働環境で働く両親を見て育ちました。
大学を卒業しゼロックスに入社、そして29歳の時に1971年創業当時は小さい小売店だったスターバックス社に1982年マーケティング責任者として入社します。
スターバックスはコーヒー豆を販売する会社だった
シュルツが務めていた当時のスターバックス社はコーヒー豆を売るだけの事業しか手がけておらず、あくまでも裏方の卸業者でしかありませんでした。
1983年イタリア訪問後にイタリアにあるような、優雅で気分よく過ごせるお店を作ろうと提案したのですがあくまで豆の販売にこだわった経営陣からは断られてしまいます。
1985年シュルツは退社し自らコーヒーショップを立ち上げるのです!
そして翌年投資家から380万ドル(約4億円)をかき集め、人生最大の大博打!1987年スターバックスを買収を成し遂げます!!
スターバックス誕生のきっかけはイタリアにあった!
マーケティング責任者時代の1983年イタリアを訪れたシュルツはバリスタが優雅にエスプレッソを注ぐエスプレッソバーで、店全体が言葉では言い表せないほど、とても心地良い雰囲気に包まれていると感じていました。
そんな素晴らしい雰囲気のバーがイタリアには数多くあることにシュルツは強い感銘を受けます。ここはただコーヒーを飲むだけの場所ではなく、この場にいることに「素晴らしい価値があるのだ」という確信です。
心地よくリラックスでき、さらには優雅な気分も味わえる、実にイタリア的な光景が目に浮かびますね。
よい雰囲気、よい気分、そしてリラックスできる。
ともすれば見過ごしてしまいかねない「よい気持ち」にフォーカスしてみることが新しいビジネスの始まりとなりました。
このようなことは男性よりも女性を意識していますよね、間違いなく。
近い将来「女性が活躍する」そんな時代が来ることをシュルツは見据えていたのかも知れません。
スターバックス・奇跡の物語がスタート!!
シュルツの頭の中では、たんなるコーヒーショップではなく、職場や家庭に次ぐ「第三の場所」としてスターバックスはありたいと考えていました。
従来のコーヒーショップにはない特徴を出すため、自分を再発見する場として心地いい雰囲気と、質の高いコーヒーは必要になります。
落ち着いていて長居したくなるようなインテリア、通りに面したオープンテラス、フレンドリーな接客、もちろん全面禁煙。
そしてポイントのひとつが長時間の自習やパソコン利用を制限せず、Wi-Fi利用も時間制限なしで無料としたことなのです。
スターバックス発祥の地、シアトルでは高学歴、高収入の比較的若い人たちが最初に支持し、後に老若男女多くの人がスターバックスファンとなっていきました。
従来のコーヒーショップとは一線を画した、スターバックス。シュルツのしっかりした価値観と、勇気を持って正しいことをやろうという信念が、たくさんの人たちの支持を生んだのです。
スターバックス・最大の危機へ!!
しかし順調そのものであったスターバックスに思わぬ暗雲が立ち込めるのです。
株式を公開した92年からスターバックスの成長はグングン加速、年平均成長率は49%に達していました。
シュルツは2000年にCEOを退任しましたが、後任の経営陣が足元をしっかり固めることを怠り、あろう事かシュルツの理想とは真逆の「店舗数を伸ばす」「売上を上げる」ことにこだわってしまったのです。
無理な出店計画、人材不足、商品クオリティの低下、さらにはスターバックスのポリシーを曲げてまでの商品開発が行われ、コーヒーのよい香りを台無しにしてしまうチーズの焦げた匂いが店内に広がりました。
当然お客は減り、売上もガタ落ちし長い年月をかけて築いたスターバックスブランドは崩壊の危機に直面したのです。
シュルツ・スターバックスの危機を救う!!
そんな中シュルツは08年にCEOに復帰し、無謀とも思える改革を断行しました。
08年2月、全米の7100全店舗が一時的に一斉に閉鎖され、全バリスタのエスプレッソ作りの再教育を行い、コーヒーのよい匂いを妨げてしまう商品の廃止、 1号店の名前を冠した新ブレンドの投入、コーヒーマシン改良のため企業買収etc.
シュルツはスターバックスの原点に帰ろうとしました。
しかし思うように復活はできず、ついに最後の決断を迫られたのです。
まるで映画かドラマのような展開ですね。シュルツはどうするのでしょうか!?
シュルツ・苦渋の決断!!
最終的には約600店舗を閉鎖し、約1800人を解雇しました。
スターバックスは人間を何よりも大切にしてきた会社です。しかし会社を救うための方法は他にはありませんでした。
大きな転機となったのは1万人を超える店長が集まるリーダー会議を、ハリケーン・カトリーナで大きな被害を受けたニューオーリンズで開催したことが挙げられます。
被災者支援のために累計5万時間ものボランティア活動を行い、スターバックスは何を目指しているのか?他とは何が違うのか?
「原点回帰」そしてシュルツの信念である「愛」の精神と実践を徹底させたのです。
そしてスターバックス復活へ!!
シュルツは語ります。
「ブランドは愛されなければなりません。そのためには従業員が会社を愛していないと始まらない。それが大きな力を生み出します。最も大事なのは現場の愛なのです」
このリーダー会議がきっかけとなり、わずか2年で驚くほどの回復を見せます。
2011年9月期の売上高は120億ドルと過去最高を記録し、誰もが不可能と思っていた復活をシュルツは成し遂げるのです。
経営者というのは本当にたいへんな立場と思います。
たいへんな環境やストレスの中、結果を出し続けるシュルツの信念はもちろん「愛」だそうです。
スターバックスのバリスタは愛であふれている!!
スターバックスの店員さんは本当に親切ですよね。
チェーン店コーヒーショップにありがちな事務的な対応とは真逆とも言える、親切で温かい対応をしてくれ、容器に遊び心たっぷりの絵を描いてくれたり、メッセージを添えてくれたり、お客への気遣いには本当に頭が下がります。
そんな店員さんに憧れや尊敬の気持ちを持つ人がたくさんいるのは当然なのかも知れませんね。店員さんの対応は、まさにハワード・シュルツの哲学である「愛」の実践!なのだと思います。
スターバックスの愛は当初男性客には通じなかった
スターバックスと言えばフレンドリーな接客でも知られていますよね。しかしながらスタバの女性店員のフレンドリーな接客に戸惑う男性客も意外と多いのです。
女性店員と若いお客特有の「友人でも恋人でもないけれど、お客と店員でもないフレンドリーな関係」に対応できず戸惑うため「スターバックスに行くのは止めにしておこう」そんな男性客も結構存在するのですよ。
スターバックスは日本で女性人気が爆発するとは当初まったく考えていなかったそうです。元々日本ではコーヒーチェーン店メインのお客は男性サラリーマンでしたから、保守的であった多くのサラリーマンたちは今までのコーヒーチェーン店とは違うスターバックスには否定的だったのです。
しかし時代というのは怖ろしくもあり、実に興味深いですね。
女性が活躍する時代となり、スターバックスのおしゃれで可愛いドリンク類は女性たちに大人気となりました。
そしてサラリーマン男性たちもごく自然にスタバを利用するようになったのです!
スタバのコーヒーはまずい!?
日本ではスターバックスのコーヒー豆は決して評判がよいとは言えないのが現状です。
具体的には、「焙煎のしすぎ」「味わいが渋すぎる」「冷めると酸味が強すぎる」etc.
うーん、日本のお客はなかなかキビシイですね。
実は2011年には会社のロゴから「コーヒー」という言葉も外しているのです。
もちろんコーヒーは嗜好品ですから人によって好き嫌いが分かれますし、誰かがイマイチと言ったからといっても自分も同じと感じる訳ではありませんが、日本のコーヒー好きはなかなか手厳しい意見を持っているようですね。
コメダ珈琲や上島珈琲など、日本にも多くのコーヒーチェーンが誕生し、躍進を続けています。
しかし土日ともなればまだまだ行列のできるスタバ!果たしてこの人気は衰える事があるのでしょうか。そしてそうなった時、スタバを再び再起させる為にシュルツが下す決断とは!
これから先、良くも悪くもスターバックスからは目が離せないですね!!