学生選手を想う新潟高野連の玉数制限案に日本高野連がまさかのアウト判定!!
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- 最終更新日:2019年02月22日

新潟県高校野球連盟(以下、新潟高野連)が投手の肩の障害予防措置として発表した「玉数制限」について、日本高校野球連盟(以下、日本高野連)は認められないとの見解を公表しました。
高校野球をこよなく愛する私にとっても、ちょっと驚きを持って見解を聞きました。高校野球の投手は基本的にエースが1人のチームが多く、その肩にはかなりの負担が掛かっているため、日本高野連も変わっていく裁定を下す物と思っていましたが、全く逆な見解に正直落胆しています。
新潟高野連の英断
高校野球の投手の問題は大分前から議論されて来ました。如何にして、投手への負担を抑えるか、肩の障害を無くせるか、この問題に正面から向き合った新潟高野連でした。
投手の「玉数制限」
新潟県高野連は去年12月の評議委員会で、複数投手制や投手の障害予防、多くの選手に出場機会を与えたいという目的で、春の県大会に限り、「投手の球数上限を100球」とする「球数制限」を今春から導入することを決定しました。投手の問題に一石を投じた決定でした。
全国で初めての試みで、「医学的見地から検証も行いたい」としていました。やっと高校野球界も、投手の肩の故障問題に手をつけてくれたかと喜んでこのニュースを見ていました。
日本高野連は「NO」
しかし、日本高野連の見解は「NO」でした。変化を求めるには、時間が掛かるのは仕方が無い事は分かりますが、現実に野球が出来なくなり、辞めていく投手も多くいる現状を早急に改善する姿勢が感じられなかった事は否めません。
日本高野連の見解
新潟高野連の動きに待ったをかけたのが日本高野連でした。見解を聞いてみると確かに正論です。でも、いつまでにどうするのかをはっきり明示していません。お役所と同じような見解でした。
「高校野球特別規則」違反
日本高野連2月20日に理事会を開き、新潟高野連の「玉数制限」について議論しました。そして、高校野球の試合に限定した「高校野球特別規則」に明記されていない中、規則を改正せずに特例で導入を認めることは出来ないとの判断を下しました。
いや、ここは新潟高野連の意見を尊重して、特例を認め、早急に「高校野球特別規則」を改正しますという声があっても良かったのではないでしょうか。残念です。
高校によっては不利になる
日本高野連の見解は更に続きます。
(1)現状では部員数が20人以下の加盟校が全体の約4分の1を占め、部員の少ないチームが不利になる
(2)勝敗に影響を及ぼす規則は全国で足並みをそろえて検討すべきだ
まだ続きがあります。
専門家を交えた「投手の障害予防に関する有識者会議」を4月に発足し、多角的に検討する。
日本高野連の見解をどう読むか
まず、新潟高野連の革新的な試みについての評価が無く「高校野球特別規則」に則るべきとの意見が多かったようです。
疑問点
不利な高校が出てくるという意見と、投手の肩の問題はまったく別の話かと思います。健康問題のことについて新潟高野連が一石を投じた話とはすりあいません。
「投手の障害予防に関する有識者会議」が発足するとの事ですが、いつ結論が出て、実際にいつ頃から実施されるのか、「玉数制限」については議論がなされるのか、全く分かりません。
早急に対策が必要な問題なのに、何をのんびりと構えているのかと腹立たしくなってしまいます。
まとめ
新潟高野連の英断はよくぞ声を上げてくれたとの思いでしたが、日本高野連は結局のところ門前払いでした。地方ではなく中央から声を上げるべき問題なのに、その姿勢が問われます。
高校球児が楽しみながら野球を続けられる環境をいち早く作ってあげたいと思ったニュースでした。