ゴッホが自殺に使ったとされる銃、1,980万円で落札

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  • 最終更新日:2019年06月27日
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ゴッホが自殺した銃

19世紀のオランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853年~1890年)が自殺に使用したとされる銃が2019年6月19日、フランス・パリでオークションにかけられ、予想額の3倍近い16万2500ユーロ(約1,980万円)で落札されました。落札者は、電話で入札した個人の収集家だといいます。

ゴッホとは

ゴッホが自殺した銃

後期印象派の代表的な画家・ゴッホは、1853年、牧師の息子として誕生しました。当初は暗い色で絵を描いていましたが、1886年からフランスで印象派の絵を学び、日本の浮世絵にも影響を受け、鮮やかな色彩、炎のような筆致が特徴となりました。

アルルのゴッホ

1888年2月、南フランス・アルルの「黄色い家」に引っ越したゴッホは、この家で、芸術家たちが共同生活をして、お互い切磋琢磨して傑作が次々と生みだされるような、ユートピアを作ろうとしました。彼は、パリで知り合った芸術家たちに、皆で共に暮らそうと誘いました。しかしその計画はうまくいかなかったのです。

ゴーギャンとの決別

アルルにやってきたのはゴーギャン一人だけでした。

ゴッホとゴーギャンは、「黄色い家」で、それぞれ次々と絵を描き始めます。しかし、ゴーギャンとは口論ばかりの辛い日々が続きました。ゴッホは、ゴーギャンとの仲違いに、まるで自分を責めるかのように自らの左耳を切り落としてしまいます。

ゴッホの壮絶な死

1888年12月、ここに至ってゴーギャンはパリへ去り、ゴッホは精神病院に入ります。以後ゴッホは病院で「星月夜(1889年)」「糸杉(1889年)」「オーヴェルの教会(1890年)」等、後世に残る傑作を次々と制作しましたが、1890年7月27日、オーヴェル=シュル=オワーズで、自分の胸を拳銃で撃ちました。しかしすぐには死ねずにベッドの上で苦しみ続け、2日後、ゴッホは亡くなりました。享年37歳でした。

果たして本当にゴッホの銃か?

ゴッホが自殺した銃

今回落札が行なわれたのは、パリのオークションハウス「ドゥルオ」。出品されたのは回転式拳銃「ルフォシュー(Lefaucheux)」で、日本の新選組の土方歳三や岡田以蔵も装備していたとされる、19世紀、世界中で広く使用されていたメーカーの物です。

銃の発見場所

今回オークションに出品された銃は、1965年、ゴッホが生涯の最後の数ヵ月を過ごした、パリ近郊のオーヴェル=シュル=オワーズの畑で農民が発見し、近くの宿屋の主人に渡しました。宿屋の家族が今回、オークションに出す事を決めたという事です。銃そのものは、これまでオランダの首都アムステルダムにあるゴッホ美術館で展示されていました。

銃口と銃弾の一致

銃の口径(7mm)が、遺体から回収された銃弾と一致していたとの事です。銃弾については当時、医師が記録に残していました。銃が1890年代から地中に埋まっていた事も鑑定されています。また、この銃は威力が低い事から、ゴッホが即死しなかった理由についても、説明がつく可能性があるといいます。

反論

しかし、ゴッホの死に際しては目撃者がいないため、今回出品された銃が、本当にゴッホの物であるか完全な証拠がないというのが、実情のようです。

学芸員でゴッホ専門家のマーティン・ベイリーは、ゴッホの自殺に使われた銃である可能性が「非常に高い」としつつ、「確証はない」と指摘しました。また、ヴァン・ゴッホ研究所も「この銃とゴッホの死が関連している事を示唆するものは何もない」とコメントしました。

まとめ

どうやら落札された銃がゴッホの物だったという確たる証拠はないようです。

でも、「美術史上最も有名な兵器」との触れ込みで落札された銃です。「あの」ゴッホが手にしたかもしれない拳銃を、一度見てみたいと思うのは私だけでしょうか。

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