KAWSのユニクロTシャツが中国で争奪戦!!プレミアまでつくその魅力とは?

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  • 最終更新日:2019年07月15日
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kawsが中国で争奪戦

2019年6月3日に、アーティストKAWS(カウズ)と、ユニクロ「UT」とのコラボレーションTシャツ「KAWS:SUMMER(カウズ:サマー)」のラインが中国で発売されましたが、その大混乱ぶりが報道されました。オンラインで商品を購入できなかった人々が、ユニクロ開店前から行列を作って、開店と同時になだれ込み、欲しい商品の争奪戦を繰り広げました。用意された10万着は僅か3分で売り切れ。マネキンからTシャツが引き剥がされた様子を捉えた動画がSNSで拡散されました。

6月7日に同じラインが発売された日本では、店員が誘導したため、比較的落ち着いていたといいますが、なぜ、こんなことになったのでしょう?そして、カウズとはどんなアーティストなのでしょうか?そして、カウズxユニクロ「UT」Tシャツ再販の予定はあるのでしょうか?

カウズとは

カウズのデザイナー

本名ブライアン・ドネリー(Brian Donnelly)、生年月日1974年11月4日、ニューヨーク・ブルックリンに住み、彫刻、グラフィックデザイン、ストリート・アート、トイデザイン等、幅広い活動を行なっています。

幼い頃からポップカルチャーやアートに惹かれ、グラフィティ・アーティスト(壁の落書き画家)として「KAWS」を名乗り始めます。個展を行なう他に、彼の活動の中で最近注目されているのは、広告デザイン、製品デザインです。多くのキャラクターやデザイナー、企業とコラボレーションしています。美術界だけでなく一般庶民にも人気が高いアーティストです。

カウズの人気の高さ

目がバッテン(×)というユーモラスなキャラクターが、世界中の多くの人の支持を集めています。それが、様々なキャラクターとコラボしているという所がファンにとってはカワイイようです。フィギュアや、彫刻作品が世界中に認知されてきました。

アメリカ、フロリダ州の芸術団体が年一回開催する「アート・マイアミ2018」期間中に、会場内で撮影されてインスタグラムにアップされた写真は、カウズの作品が最も多かったといいます。

セレブがカウズ作品を所蔵

韓国のアーティストグループBTSのメンバーは、ユニクロ(UT)Tシャツを着用しているとの事です。

また、アメリカのラッパーのスウィッツビーツ、歌手で音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムスらは、カウズ作品を所蔵している事で知られ、世界各国の芸能人が愛用・所蔵している事でも、人気に拍車が掛かりました。ファレル・ウィリアムスは、香水「GIRL」をプロデュースし、そのボトルをカウズとコラボしています。

カウズ作品の落札価格

kawsの落札価格

そんなカウズの芸術作品は幾らで落札されるのでしょうか。

2019年4月、香港のオークションハウス「サザビーズ」で、カウズ作品のオークションが行なわれ、カウズ作品としては史上最高額で落札されました。

その作品は、「THE KAWS ALBUM」(2005年)で、1億1,600万香港ドル(約16億4,000万円)でした。これは、ザ・ビートルズの8枚目のアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のジャケットのパロディーで、落札者は不明です。

ユニクロ「UT」Tシャツ騒動

カウズUT

こんなに人気のあるカウズの商品ならば、中国のユニクロ店舗で争奪戦にならないはずはありません。今回はユニクロの戦略が成功したというべきでしょう。

仕掛け人は牧瀬理穂の夫

カウズxユニクロ「UT」とのコラボの仕掛け人は、NIGO(R)(ニゴー)氏でした。彼は、2013年からユニクロのTシャツブランド「UT」のクリエティブディレクターに就任しているので、このコラボは、ニゴーのディレクターとしての「ウデの良さ」から実現したプロジェクトでした。

ニゴーは、日本のファッションディレクター・音楽プロデューサー・DJで、1990年代に裏原宿系ファッションブームの火付け役となったファッションブランド「A Bathing Ape(ア ベイシング エイプ)」を立ち上げた、ストリートファッションの先駆者として知られます。ちなみにニゴーの妻は女優の牧瀬理穂です。

ニゴーとカウズとの友情

ニゴーとカウズとは20年来の友人で、カウズとの友情もこのプロジェクトにいい影響を与えた事でしょう。カウズはインタビューで、「ニゴーは私の最大の支持者の一人です」と言っています。

実は、2019年4月、オークションで約16億4,000万円で落札された「THE KAWS ALBUM」のオークション出品者も、ニゴーでした。ニゴーは今回のオークションに他にも30点以上のカウズ作品を出品して、いずれも高額で落札されています。

ユニクロとのコラボはこれが最後?

また、今回中国でこんな騒動になったのは、カウズが、自身のインスタグラムに「I really hope you enjoy it because I have decided this collection with UT will be my last.(UTとのコレクションを最後にしようと決めました。)」という文を載せたからでもありました。もう二度と手に入らないのか!!と、中国のカウズ・ファンが殺到したのも無理はないかもしれません。

中国にカウズ彫刻常設

中国でカウズが人気があるのは、カウズの彫刻が中国の都市に常設されている事もあるといわれています。中国・湖南省の長沙IFS(国際金融センター)ビルの屋上から街を見下ろしている高さ8メートルの「SEEING / WATCHING」という彫刻です。

中国の人々にとって、カウズの認知度は高いと言えます。

高額なカウズのコラボ商品

kaws dior nike

カウズのコラボ商品は高額といわれています。では、どのくらい高額なのでしょうか。コラボした企業別に見てみましょう。

ナイキとのコラボ

2017年3月に発売された、カウズとナイキがコラボしたスニーカー、「KAWS AIR JORDAN 4(カウズ エアジョーダン4)」は、41,040円でした。これは、シューズのかかと部分にバッテン(×)が施されているモデルで、発売当初世界中で凄まじい反響を呼びました。

さらに、エアジョーダン発売30周年記念の一環として、カウズxナイキコラボ新色モデルが2019年秋に発売予定との事です。

ディオールとのコラボ

また、カウズがクリスチャン・ディオールとコラボした商品は、軒並み高額となっています。

DIOR X KAWS コットン Tシャツ:68,000円
コットン Tシャツ、DIOR X KAWSのBEE:97,000円
ナイロン ボンバージャケット、DIOR X KAWSのBEE:240,000円

名門腕時計メーカー、アイクポッドとのコラボ

さらに、カウズとアイクポッドのコラボレーション腕時計「The Horizon by KAWS (ホライズン バイ カウズ)」は、147万円。2012年に発表されたこの腕時計は、針がバッテン(×)となり、目盛りが12個の歯になっています。

アイクポッドは、ドイツ人実業家オリバー・アイクが、アップル社の製品も手掛けるデザイナー、マーク・ニューソンと共に1994年に創設したブランドです。

そしてユニクロ「UT」Tシャツは・・・

見てきたように、カウズ商品はそのほとんどが高級ブランドであるため、高額です。今回のユニクロとの企画は、Tシャツ99元(1,600円程度)、子供用Tシャツ79元(1,300円程度)と、世界で最もお手頃価格のカウズ商品として話題となったため、カウズ商品を買うのはこの機会をおいて他にはない!!と、中国でこのような騒ぎとなったのでしょう。

キャラクターのパロディー

kimpson

カウズの作品は、先に挙げたように、有名なのが各社の人気キャラクターのパロディーで、何といっても目のバッテン(×)が特徴です。ポップなキャラクターが印象的で、ペインティングや彫刻、フィギュア等になっています。

アメリカの有名漫画「シンプソンズ」を「KIMPSONS」、「スマーフ」を「KURF」等と銘打って、アニメキャラクターをモチーフにしています。スヌーピー、セサミストリート、鉄腕アトムとのコラボもあります。映画「スターウォーズ」とのコラボフィギュアも発売されました。

カウズ作品の代名詞「Companion(コンパニオン)」

そして、彼のキャラクターの中で最も人気があるのが「Companion」です。目がバッテン(×)、口がスカル(骸骨)で、ミッキーマウスのような顔と手がユーモラスな、この「Companion」は、世界各地で見る事ができます。ちなみに、2018年12月に発売されたフィギュアは、59,184円、2019年3月に発売されたものは45,360円でした。

また、2015年、オランダのアムステルダム国立美術館前に、期間限定で設置された巨大な「Companion」像、タイトル「Along the Way」は、話題を呼びました。

アルバムジャケットデザインの仕事

カニエウエストとカウズ

その他にも、アルバムジャケットの仕事もしています。カウズは、カニエ・ウエスト等の大物ミュージシャンとも仲が良く、コラボレーションも数多く手掛けています。カニエ・ウエストとは、アルバム「808s & Heartbreak」のジャケットデザインを制作しました。

日本の音楽プロデューサー、アーティストでもあるテイ・トウワや、DJ HASEBEのアルバムジャケットデザインも担当しています。

日本でのコラボ企画

apeとkaws

カウズの名前が日本で知れ渡るきっかけになったのが、日本のアパレルやトイブランドとコラボし、カウズがデザインやプロデュースした数量限定のフィギュアです。その第一弾が、1999年に、日本のアパレルブランド「Bounty Hunter(バウンティー ハンター)」とコラボしたもので、世界のトイコレクターの間で人気が爆発しました。

さらに、ニゴーがデザイナー(当時)の「A Bathing Ape」等の、当時大流行していたアパレルブランドとのコラボにより、若者の間でも人気に火が付きました。

伊勢丹でポップアップストア

また、2018年11月には、カウズとディオールのコラボ商品が、伊勢丹新宿メンズ館のポップアップストア(期間限定)で華々しく売り出されるまでになりました。

珍しい所では、「BE@RBRICK(ベア ブリック)」でおなじみのホビー会社「Medicom Toy(メディコム トイ)」と家具メーカー「カリモク社」とのコラボの「ディズニーのピノキオ(らしき)」フィギュアでした。限定100体のシリアルナンバー入りで1体8,000ドル(約874,604円)で販売されていたそうです。このフィギュアは木製でした。ストリート出身らしく作品の材質は多岐に渡っています。

「UNDERCOVER(アンダーカバー)」とのコラボ

2000年、カウズは「UNDERCOVER」とのコラボレーションにより、春夏コレクション用に様々な商品を制作します。また、2006年には、「Medicom Toy」が手がけるファッション&トイブランド「Original Fake(オリジナル フェイク)」で、フィギュアだけでなく、洋服のデザインなども手がけます。

ユニクロ「UT」とのコラボ

そして、2016年には、ユニクロとのコラボレーション商品「UT KAWS」によって再びファッション業界で注目を浴びるのです。アメリカやヨーロッパでも、発売後、すぐ売り切れになるほどの人気でした。これによって一般の人々に彼の名はさらに広がりました。今回(2019年)の騒動は、そのプロジェクトの第六弾だったのです。

カウズ略歴

カウズのデザイナー

これほど人気のあるアーティスト、カウズは、どんな人生を送ってきたのでしょう?ここからは、若きブライアン・ドネリーが、ストリート・アートと出会い、世界的人気アーティスト『カウズ』になるまでを簡単に紹介していきたいと思います。

生い立ち

1974年ニュージャージー州ジャージーシティー生まれ。学校に上がると、両親は何回も教科書を買い換えなければなりませんでした。カウズのどの教科書も落書きでいっぱいだったからです。

カウズの最初のグラフィティ(戸外での落書き)は小学生の時でした。ニュージャージーでは皆がやっていたそうです。高校に入ってからは、ニューヨークのブロンクスやワシントンハイツ等に行って描いていたという事です。

1991年頃、グラフィティ・アーティスト(壁の落書き画家)として頭角を現し「KAWS」を名乗り始めます。

ストリート・アート

やがて、描く場所が地下鉄の駅に、画材にスプレーが加わります。

カウズは、ニューヨークに引っ越し、バスの停留所、電話ボックスにある広告を勝手に描き換えるようになります。1993年「キャプテン・モルガン(ラム酒)」)の看板広告にグラフィティを施したのが19歳。

これら描き換えられた広告は、放置され、数ヶ月間そのままの状態になっていましたが、カウズの知名度が上がるにつれて、盗まれるようになりました。

大学卒業後、最初の仕事

1996年にニューヨークのマンハッタンにあるスクール・オブ・ビジュアル・アーツ大学、イラストレーション科を卒業します。

大学卒業後に、短期間、フリーランスで「ジャングル・ピクチャーズ」に勤務し、アニメーションに関わり、技術を学びました。その頃、背景の色付け等をした作品は、ディズニーの「101匹わんちゃん」や、アメリカの有名なアニメーション「ダグ」「ダリア」等でした。

コラボアートやイベント

1990年代の後半から、カウズの評価が高まっていくにつれ、活動の場を、ストリートから、キャラクターや企業とのコラボアートにシフトしていきました。

2012年、アメリカ、テキサス州フォートワース現代美術館にて彫刻が公開されました。また、メーシーズ・サンクスギビングデー・パレードへの参加を果たし、「Companion」キャラクターをかたどった12mの風船を空に浮かばせて、多くの人に認知されるきっかけとなりました。

世界各地で個展を

2000年代から、カウズはブルックリンを拠点にして作品を制作しながら、パリ、ロンドン、ベルリン、台湾、東京など世界中で個展をしています。東京では、村上隆氏がオーナーを務める「Kaikai Kiki Gallery」で展示をした事もあります。

その中には、コラボアートだけでなく、自身のオリジナルアート作品も含まれていて、アクリル画、シルクスクリーン作品なども制作しています。最近では「ACTIVITY TRAP」(2017-2018)が有名です。大衆的でありながらシュールという作品です。

作品が美術館に収蔵

また、カウズの作品は、ブルックリン美術館、フォートワース現代美術館、ジョージア州ハイ美術館、カリフォルニア州サンディエゴ現代美術館、ミズーリ州セントルイス市立博物館、パリのローゼンブルム・コレクション、ロンドンのザブルディクス・コレクション、スペインのCACマラガ現代美術館などに収蔵されています。まさに世界中にファンがいるという事でしょう。

カウズ作品とキャンプをしよう!!「KAWS:HOLIDAY」

2019年7月18日〜24日(18日はオンラインチケット当選者のみ参加可能)、「ふもとっぱらキャンプ場(静岡県富士宮市麓156)」で、富士山の麓に全長40メートルの巨大な「Companion」像が展示されます。ソウル、台北、香港に続いての開催で、「普段の生活から自身を遮断し、空を見つめてリラックスできたらという思いを込めて」とカウズはコメントしています。開催初日の18日には、カウズ本人も来日するとの事です(18日以外は「ふもとっぱらキャンプ場」の入場予約が必要との事です)。

カウズxユニクロ「UT」コラボTシャツ再販

さて、ここで、今回、カウズxユニクロ「UT」コラボTシャツが入手できなかった人に朗報です。ユニクロHPによると、デザイン等は不明ですが、日本で一部商品の追加販売が決定したそうです。再販予定日は2019年8月中旬となっているようです。ユニクロオンラインの会員になると、再販の情報を一早く受け取ることができるかもしれないとの事でした。

まとめ

「なぜ芸術をやりたいと思ったのですか?」という質問に対し、カウズは「正直なところ、これしかなかったから」と答えました。

カウズはストリート・アート、トイデザイン、ファッションというジャンルを越え、大きな成功を収めています。商業的に最も成功しているストリート出身アーティストの一人という事になるかもしれません。これからどんなアーティストになっていくのか、楽しみです。

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